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楽々スキー術 X


オフトレ編 その1 まずは歩くことから始めよう
歩くといっても1日30分一万歩、歩きましょうという提案ではない。歩き方です。スキーに役に立つ歩きかたって?ある
のです。そう、二軸動作をつかった「常歩(なみあし)」歩行です。詳しくは常歩研究会のホームページ「常歩秘宝館」を見ていただければいいのですが、ここではその要点と私なりに実践して感じたことを紹介することとします。
 まず始めの一歩が肝心です。すべてとはいいませんが、たいていの人は中心軸感覚で一直線上を骨盤と肩を左右交互にねじりながら足をクロスさせるように運びます。そして、健康のための歩き方教室では親指に力を入れて後ろへ強く蹴りなさいとも指導しています。私もついこの間までは、そのような走歩行を心がけていました。この動きが身体に染み付いているため、どうしてもそうした動き方をしてしまいます。
 そこで、二軸動作の要領で始めの一歩を踏み出して欲しいのです。動的バランスの活用です。自分の重心位置と支持点 をあえてずらすことによって外力(重力)による作用によって常に動きつづけられる状態を作れるようになるといいのですが。
 それでは、その要領を常歩秘宝館より要点を抜き出しながら説明していきます。

1.二軸理論による走歩行は、二直線走歩行が基本

 
 足幅は股関節幅に軽く開いて、スキーでいうナチュラルスタンス。そして、つま先と膝をすこし外側にむける。この股関節をやや外旋位で着地させるというのがミソで、骨盤を押し出し体幹を捻らないで歩く(or「走る」)ことを可能にしてくれます。

2.目線が下がらないように。やや上向きに


 これもスキーと同じ。あごを引くよりやや上向きがいいのです!

3.後ろ足で蹴らないように一歩目を踏み出す


 ここが肝心。「重心はやや斜め前下に支持点は踵に」といった感覚です。スキーの前傾姿勢のところでも書きましたが、つま先よりに重心を移したポジションから、重心位置はそのままに足首を締めるように支持点(荷重点)を踵に移すと、踵からの前傾姿勢が作られ身体は自然と前に倒れていきます。この要領がつかめれば、後ろ足で蹴らずに一歩を踏み出せることになります。
 この動作感覚は今までにあまり経験したことがないと思います。繰り返し行うことで、今までに身体に染み付いた蹴って歩く走るといった動きから、違った新感覚の走歩行を発見することになるでしょう。

4.腕の振りは自然に


 最近取りざたされている「ナンバ歩き」では、同じ側の手と足が同時に出て行くようにいわれたりしていますが、ここでは意識せずに肩甲骨の動きに任せましょう。この肩甲骨が楽に動くことが大切で、股関節と連動し重心の左右への切替え移動がスムーズに行われることにつながります。

5.歩幅は欲張らずに小さくゆっくりと


 健康歩きでは、「歩幅は大きく振り出した脚はしっかり伸ばし踵から着地を」とあります。それをやっちゃ−おしまいです。 自分の重心の下へまっすぐフラットに、重心を落とし込むように右に左にと重心移動を連続させていく感じです。 常歩秘宝館では、歩くよりもゆっくりした(LSDLongSlowDistance)をすすめています。そして歩幅は一足長で「踵から小指側に足圧が抜けるような感じで・・・親指の付け根の栂指球はほとんど接地しないで浮かせたままにしておくような感じで」とも。これは骨盤のローテーションを抑え、左右の軸感覚を感じ取るのに最適だそうです。実際、スキーのターン切替えの感覚にも非常に有効な動きにつながります。 さて、「踵が後ろに残る感じ」・「足裏全体で着地して、足裏全体がパッと離れる感じ」・「自然に後ろ足が前方へ振り出される感じ」など、二軸感覚を見つけ出せたらしめたもの、毎日の散歩が楽しくなりまっせ!!


 私もこの「常歩」走歩行を心がけ1年が経ちました。お陰で数年前に傷めたふくらはぎの故障も回復し、夏場のトレーニングに取り入れているトライアスロンの走りこみも順調です。特に後ろに蹴らずに重心を前進させていくこの走歩法は、長い坂道を上がっていく時にその真価が発揮されるように思います。私のジョギングコースとなっている家から山科毘沙門天までは3.5kmほどつづく上りですが、急なところほど蹴らずにむしろ重心を斜め前へ落とし込むようにすることで、ススーと身体が持ち上がっていくような感じです。 この外力を有効に利用した「常歩」走歩行の動きは、アルペンスキーやクロスカントリスキーにも大変有効です。さあ−みなさん、この夏場を「常歩」走歩行で爽快に駆け抜けましょう!!

文:京都スキー協 森田 英二さん

 

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