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楽々スキー術 W


06シーズンのまとめ
先シーズンより2シーズンにかけて 取り組んできたスキーにおける膝抜き・ 二軸動作。今シーズンようやく私なりに つかめてきた。二軸動作「常歩(なみあ し)」研究の第一人者である小田伸午 先生のお陰である。
 先シーズンの始まる前に古武術研 究科の甲野善紀氏の著書「身体から 革命をおこす」に触発され、その中の 「膝抜き」に興味を覚えスキーのターン切替え操作に応用してみた。今までに 感じたことのないようなアクロバチック な素早い切替えが体感でき、このシーズンから動 き出したスキー協・新教程の普及活動や競技大会で取り入れてみたところ、非常に良い結果が得 られた。特に教程カリキュラムの洗練パラレルター ンにおいて、重心を低く保ったままでのターン切 替えに威力を発揮。股関節を柔らかく使う指導を 組み合わせることで教程の理解も深まったし、私 自身の競技会でのタイムアップにもつながった。そんな中で、新日本スポーツ連盟機関誌「スポー ツのひろば」2005年3月号で小田伸午先生の二 軸動作「常歩(なみあし)」入門が掲載され、重力 (=外力)を有効に使った合理的な身体の使い方 が分かりやすく解説されていた。「膝抜き」の要領 も記され、それまでの感覚的なものから科学の目 を通した客観的な捉え方へと自分の中で発展させ ることができた。そしてオフシーズンに入り、小田先生の講演をじかに聴く機会もあり、夏場のトレー ニングに二軸動作を取り入た走り込みをおこなうことが出来た。そこでより理解が深まったことは、二軸動作「常歩(なみあし)」入門の中でも書かれている、二軸動作は「力を抜く動作」であって「力を 入れる動作」でないということ。そして 「不安定さが動作を生む」ということで あった。それまでの私は、その対極にあり日本のスポーツ界の主流となって きた中心軸(一軸)的な体の使い方で 「力を入れる」ことにポイント置いていた。 走るときも滑るときも早く重心を前に持っ ていくことと、ポジションを高く保つため につま先に力をいれ体を持ち上げよう としていた。特に坂道を上がるときは強 い蹴りと腿上げで重心を上へ上へ引き 上げようとしてきた。その結果、3年ほど前にふくらはぎを痛め、それ以来ス ローでも30分と走れなくなっていた。 これは中心軸的な体の使い方の弊害 F、1 の現われであったと今になって思う。そ して今は二軸動作「常歩(なみあし)」 に出会ったお陰で、再び快適な走りを 取り戻しつつある。





この「力を抜く」「不安定さが動作を生む」というのは、あえてバランスを崩すことによって自然の力(外力)を借りて動きを作り出すということで、省エネで ありながら自分の力(内力)で動き出すより加速力、瞬発力に優れている。これはスキー技術にもピッタシ当てはまる。そこで今シーズンは「力を抜く」方向 を模索してみた。特にターン切替えのとき重心の移動方向は「斜め前フォールライン方向」が常套である。が、私が試みたのは前でも斜め前でもないら 「下〜に」である。つまり、滑降しターンすることによって生れる外力の働く方向である。ターン後半、外脚を支持点に重心はターン内側(山側)にある。 この重心を次のターンポジション(教程のいうところの次のターン内側となる谷足の小指付け根= 小指球)に移動することによって次のターンへと移行していくことになるが、この重心移動をスピー ディに適確に行うことで安定感のある連続ターンとなり、タイムアップにもつながる。そこで、この移動する原動力を「膝抜き」と二軸動作の要領でお こなうと結果的に重力(=外力)の向かう方向「下 〜に」となり、洗練パラレルターンの完成型となって現れる。これを、それまでのように斜め前といった方向に 意識をおいておこなうと、重力に逆らって強い踏 みけりを伴うし、その結果、重心は水平方向またはやや上方へ移動する。スキーは斜面に沿って 下方向へ流れるため、体は浮いた状態が生まれ、 次のターン始動が遅れ間延びした連続ターンとなる。これは急斜面では決定的な上体の遅れとなっ て現れ大きな破綻の要因にもなる。これが私の今シーズンの到達点であ り、二軸動作による「力を抜く、不安定 さ」が自然の理にかなった流れのある 動作をつくり、スキーにおいても省エネかつスピーディ、プラス安定感のある、 正に楽して楽しいスキー滑走をもたらしてくれた。さて次回からは、来シーズンに向けてのオフトレの中で二軸動作「常歩(なみあし)」をどう取り入れていくのか、そ の理解と活用法を紹介していきたい。 こうご期待を!!

文:京都スキー協 森田 英二さん  モデル:森田 英二さん

 

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